イワサキ経営スタッフリレーブログ

2019.03.06

子供の頃から続いている読書

 私は子供の頃から本が好きです。幼い頃にとても感銘を受けたのは三浦綾子さんの塩狩峠です。簡単なあらすじは、結核を患った婚約者が長い間の闘病生活を終えて病が治り、結納のために婚約者のいる札幌にむかう途中、主人公が乗った列車が塩狩峠の山頂にさしかかった時、突然客車が離れ暴走し始めます。恐怖におびえる乗客をよそに主人公が客室のデッキにブレーキがあるのを見つけ、ブレーキをかけましたが完全には止まらず、主人公が自分の命を犠牲にして身体で車輪を止め乗客の命を救ったという物語です。自分を犠牲に身体で車輪を止めたという話は実話で当時話題になったそうです。

 
この本を読んで人間とはなんなのか、死について人間の生き方について考えさせられました。自分自身が子供の頃にこの本を読みこんな大人になりたいと思っていたのに、大人になった現在の自分はまだまだ精神が未熟だと今でも考えさせられます。どうしたらあんな強い人間になれるのか、もっと精進して強く優しい人間になりたいと思います。
最近読んだ本で感動したのは、東野圭吾さんの人魚の眠る家です。主人公の娘が突然プールで溺れたという知らせが入り、夫婦で病院へ向かいます。ICUに運び込まれ心臓は動き出しますが、意識は戻らず脳死と診断されます。医師から臓器移植の説明を受け、一度は同意したものの、かすかに動いたように思えた娘の手をきっかけに自宅で介護をしながら治療の継続を望むようになります。
 
映画で公開されていたのであらすじはここまでにしておきますが、自分の娘に置き換え考えると私も同じ事をするのではないかと感じました。意識はなくても生きていてもらいたい、そう思うのは子供を持つ親だからこその感覚かもしれません。男性と女性ではまた考え方が異なるのかもしれませんが、私は心臓が動いている限り娘の隣にいたいと感じました。しかしずっと続く事ではないのかもしれません。脳死は死であるのか、臓器提供について考えさせられました。私は何かあった場合のために臓器提供の意思を表記しておりますが、自分の子供に起こった時、簡単には決断できる事ではないと思います。とても悲しく切なく考えさせられる本でした。スマホ・SNS等があたり前になり活字離れが加速している中、本の面白さ・大切さを大事にしていってもらいたいと思っています。
~推進一課 高本由美子~

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