イワサキ経営スタッフリレーブログ

2015年07月

2015.07.16

「空き家対策法の施行」について ~日宇 功太~

  本年5月26日に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。こういった特別措置法はひっそりと成立し、ひっそりと施行される印象が強いのですが、今回は夜の報道番組でも特集が組まれるなど非常に関心が高かったようです。これまで住宅が存在する200㎡以下の土地については固定資産税が軽減されていたものが、その軽減措置がなくなり固定資産税が一気に最大6倍になってしまう可能性があるというものです。各局かなり視聴者を煽っているようでしたが、実際には負担調整措置が70%あるはずですので最大4.2倍というのが正しいかと思われます。

 この特措法にある空き家とは、空き家の管理が行き届いていないために、市町村から建物の解体などの指導があり、その指導に従わない場合に指定される「特定空家等」となります。この「特定空家等」の定義は①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態②著しく衛生上有害となるおそれのある状態③適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態とあります。空き家を所有しているとすぐに固定資産税が4.2倍になるわけではありませんので安心してもよいかと思います。
 ところで、将来この「特定空き家」に該当する可能性のある空き家が静岡県内でどのくらいあるのかご存じでしょうか?報道や新聞などで16%などという数字が飛び交っていますが、実はその数字は空き家の総数を全住宅戸数で割った数字となり、別荘や売買中の物件なども含まれてしまっています。問題となる可能性のある空き家はそう多くないのです。実際に問題となる可能性のある放置的な空き家は静岡県内ではで約5%という統計が出ています(平成25年 住宅・土地統計調査)。
 しかし、静岡県の人口減少も2007年頃に始まったばかりです。おそらく人口減少と空き家の増加は連動します。この5%という数字はいずれ10→15%に進む可能性は十分あります。県内の一部の地域では不動産や住宅の需給バランスが崩壊することも心配されます。市場価格のつかない不動産も今以上に増加するでしょう。
 今回の「空き家対策法」で所有者の意識が変わり、空き家の有効活用が促進されたり、更地となった住宅地が集約され地域の活性に生かされることを願いたいところです。

2015.07.16

新制度とその対応 ~戸部 翼~

  2015年も残すところ半分を切ったところですが、皆様どうお過ごしでしょうか。6月に入り、今年も梅雨入りしジメジメとした日々が続いています。

 さて、2015年4月より介護報酬が改定されました。今回の改正はマイナス改定であり、一般法人・社会福祉法人等の法人形態を問わず、加算を取りにいくことにより対応していくことが重要になると考えられます。
 このように介護事業者の方々には制度の理解・対応が求められる中、社会福祉法人では、本年4月3日に「社会福祉等の一部を改正する法律案」が国会に提出され、さらなる制度への対応が求められます。
 この法律案のうち、今回は会計監査人の導入について触れたいと思います。
 まず、会計監査人とは、計算書類・財務諸表などを会計監査することを主な職務・権限とする、公認会計士・監査法人のみが就任することが出来る機関です。
 当該法律案で会計監査人設置が義務付けられる社会福祉法人は、収益(サービス活動収益)が10億円以上、もしくは負債が20億円以上の法人(以下、特定社会福祉法人)となっており、対象となる特定社会福祉法人は2,000弱と言われています。
 この法律案が通った場合、平成29年4月には特定社会福祉法人では会計監査人による会計監査(以下、外部監査)が制度として義務付けられることになり、財務諸表の作成に加え、内部統制の整備状況・運用状況にも注意しなければなりません。
 ここで、内部統制とは、「業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセス」と定義されています。
 外部監査で関わってくるのは、この内部統制のうち、財務報告の信頼性に関する部分ですが、法人様としては、内部統制そのものの整備・運用状況を把握しておくのは今後の法人の運営にとても重要なこととなりますので、早急な対応が求められると思います。

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