イワサキ経営スタッフリレーブログ

2008.05.08

蔵出税と二重課税のあいまいさ ~宮川 良太~

  揮発油税の暫定税率に困惑したのは私だけではないと思いますが、この騒動の最中に、ふだん耳にしない『蔵出税』という言葉をお聞きになった方も多いと思われます。

 蔵出税とは、ガソリンの場合、ガソリンが製油所から出荷された時に課税される制度です。この税金は、製品価額に上乗せされ、取引価額の一部とされます。ですから、消費税が蔵出税を含む価額全額に課されてしまうのです。つまり、税金に税金が課せれるという二重課税の現象が引き起こされるのです。
 この制度が適用されているものが他にもあります。そのひとつは酒税です。
私のエネルギー源であるお酒も、残念ながら出荷された時点で課税される蔵出税の制度下にあります。特に、ビールや発泡酒は税率が高い水準に保たれ、しかも、消費税が課せられているのですから、財布にとって大きな痛手なのです。つまり、取り易いところから税金を徴収し、おまけに消費税も課してしまえという制度が、蔵出税と消費税の関係なのです。
 蔵出税の発想は、贅沢品あるいは嗜好品に税を課すという概念により存在するのですが、時として、運用次第では、それは‘弱い者いじめ’という現象を助長する要因にもなるのです。
 税金は誰のためのものなのでしょうか。国民は何のために税金を納めるのでしょうか。

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