イワサキ経営スタッフリレーブログ

2022.09.06

電子帳簿保存法の改正

令和4年1月から、事業者が取引した電子取引データは、電子帳簿保存法上(法人税、申告所得税の納税義務者に限る)電子データによる保存が義務化されました。ただし、猶予期間(宥恕措置)として令和5年12月31日までは、印刷しての保存も認められており、この間に、電子取引データの保存体制を整備する必要があります。令和6年1月からは電子取引データを印刷して保存することが一切認められなくなります。それまでに、まずは自社の電子取引を洗い出し、その保存方法や電子保存システムの検討が必要となります。

ところで電子取引データとはどのような取引が対象となるのでしょうか?
電子取引とは、取引先との間での取引情報を電子データで受け渡す取引をいいます。例えば電子メールに添付された請求書等や、ネット通販サイトからダウンロードやスクリーンショットした請求書・領収書、クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードの支払いデータ、ペーパレス機能のあるファックス複合機でのデータの受信などさまざまです。また、自社が発行する請求書や領収書等の控えなども保存対象です。さらに見落としがちなのが、役員や従業員が個人のメールアドレスを利用して飛行機や新幹線のチケットをホームページ上で購入している場合も、請求書や領収書をダウンロードして提出してもらい、保存しておかなければなりません。このように電子取引は多岐に渡りますので、まずは自社での対象となる電子取引の洗い出しが必要となります。

次にやらなければならないことは、どのように保存しておくかということを決めなければなりません。保存には、専用の保存システムを利用する場合と利用しない場合がありますが、電子取引データの保存には、改ざん防止のための措置や可視性・検索性などの要件を満たす必要があります。

取引数が少ない場合は専用の保存システムは利用しなくても何とかなると思いますが、取引数が多い場合、今後ペーパレス化に伴い電子取引が増加する事が考えられる場合は、専用のシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

最後に、現在、社会全体としてデジタル化を推し進めていく中で、今後より一層、中小企業もデジタル化の波が押し寄せてくると考えられます。今回の改正を機に、自社の業務フローの改善を考えてみてはいかがでしょうか?

イワサキ経営グループ 監査部一課 善田 智洋

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