イワサキ経営スタッフリレーブログ

2017.10.19

ローカルベンチマークの活用 ~宮田 秀美~

  皆様は最近、「ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)」という言葉を聞いたことはないでしょうか?ローカルベンチマークとは「企業の健康診断ツール」と言われるものです。企業の健康診断と聞いてもなかなかピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますが、普段皆様が受けている健康診断と同じだと考えてください。健康診断を受ける目的はなんですか?まだ自覚症状のない病気を、早期発見するためではないでしょうか。企業も同じです。自社が病気になる前に自らを振り返り、経営者・金融機関・支援機関が同じ目線で対話を深めることにより、経営を改善させ企業をより発展させることを目的としています。

 ローカルベンチマークツールは財務情報と非財務情報の2つの枠組みからなっています。財務情報には①売上高増加率(売上持続性)②営業利益率(収益性)③労働生産性(生産性)④EBITDA有利子負債倍率(健全性)⑤営業運転資本回転期間(効率性)⑥自己資本比率(安全性)の6指標を採用しています。この6指標は企業の格付けを目的としておらず、あくまで事業性を理解し、健康診断を行うための参考情報としての活用を前提としています。
 一方、非財務情報とはどのようなものなのでしょうか。「財務情報は過去の企業活動の結果であり、その背景にある事業への理解が欠かせません。今後どのような点を改善すれば健康を維持・回復できるのかといったことを企業経営者と金融機関・支援機関が対話を通じて考えるために、非財務情報の把握、掘り下げは最も重要な要素と位置付けられています。」とされています。具体的にまずは製品製造・サービス提供における業務フローと差別化ポイントと商流の把握です。これは、自社商品・サービスがどのようなプロセスを経ているのか、また仕入先から得意先・エンドユーザーへどのように商品が流れているかを知るためのものです。その他に経営者(経営理念やビジョン・経営意欲や後継者の有無等)、事業(強み・弱み等)、企業を取り巻く環境(市場動向・従業員定着率等)、内部管理体制(事業計画の有無・人材育成の取り組み等)の4つの着目を聴き取ります。
 今までの企業の歴史や経営者の頭の中にあった将来のビジョンを形に起こすことで見えてくる課題もあるかと思います。これを機に経営者・金融機関・支援機関と共有してみてはいかがでしょう。

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