イワサキ経営スタッフリレーブログ

2017.08.18

事業承継を考える ~村田 圭~

 経営者が高齢化していることを背景に、世間では事業承継に関する取り組みが活発になっています。私が経営者の方々から受ける相談にも確かにここ数年この手の相談が増えているという実感があります。この事業承継には決まった期限があるわけではないので、つい後回しになってしまう会社が多く、必要な時には準備不足に陥ってしまっている現状があるようです。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」ではこの事業承継の計画から実行までを5つのステップに分けて説明しています。
まずは事業承継の準備は時間がかかることから早い段階から準備に取り組むことの必要性を認識すること(ステップ①事業承継に向けた準備の必要性の認識)。そして次に自社の事業や財産、ノウハウ、経営環境、後継者の状況や相続対策を認識すること(ステップ②経営状況・経営課題等の把握(見える化))。次に事業の競争力の強化や社内規定・マニュアルの整備、職務権限の明確化などを進め、後継者が引き継ぎたいと思えるような会社の状況を整えること(ステップ③事業承継に向けた経営改善(磨き上げ))。次に親族や従業員に引き継ぐ場合には後継者が継承した後の事業の在り方のイメージを作ること(ステップ④-1事業承継計画の策定)。会社を売却して社外に引き継ぐ場合にはM&Aの仲介機関に依頼をし、どのような承継をしたいかを明確にすること(ステップ④-2M&A等のマッチング実施)。ここまでの準備ができてようやく事業承継の実施となります(ステップ⑤事業承継・M&Aの実施)。
事業承継には長いと10年以上の時間がかかる場合もあります。事業承継というのは単純に代表取締役の名前が変わるだけというものではなく、これまで現経営者が長年にわたり培ってきたノウハウや技術を次世代に引き継ぐということもしなければなりません。また、培ってきた社内外のネットワークの引継ぎというのも短期間で容易にできるものとは限りません。自社株等の財産の引継ぎに大変の苦労をされている会社も少なくなく、長い年月をかけてコツコツと対策を取っていく効果も多く見込まれます。会社のその後の繁栄のためには経営理念や経営者の信用を引き継ぐということも非常に重要なことです。
今はまだ必要ないと思っていても一度じっくり考える時間を作ってみても良いかもしれません。

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