イワサキ経営スタッフリレーブログ

2026年02月

2026.02.11

颯爽と恥をかく

私の前職は陸上自衛官で、幹部として勤務していました。キャリアの道筋は、初めに配置された職種によって、概ねレールが決まる独特な世界です。入隊当時20代だった私は、人生について深く考えることなく、ただ漫然とその道を進んでいました。しかし、心の中にはいつも自身の行動や発言に対して不安と違和感が渦巻いていました。

階級が上がり、組織の長となった時、その違和感は重圧に変わりました。私の指示で多くの人間が動く。その指示の成否については、最終的に自身が負うことになるという恐怖が常にありました。
「もし、失敗したら?」「責められるのでは?」「自分はダメな人間だとレッテルを張られるのでは?」
この恐怖の根源は、まさに「恥をかきたくない」という強い思いだったと思います。他者から無能だと判断されること。
自分の未熟さが露呈すること。それが何よりも恐ろしかったのです。

そんな恐怖と迷いの中にいた私に、ある上司の方が言葉をかけてくれました。
「青年将校は颯爽と恥をかけ」
私にとって、「恥をかく」ということは、ネガティブな失敗の烙印でしたが、その上司は、「かっこよく失敗する」という視点を与えてくれたのです。失敗は成長の糧と言われますが、渦中にいる人間がそう捉えるのは困難だと思います。 しかし、失敗しても、「カッコ良くはあれるのではないか?」という新たな視点は、私の思考を変えました。

「自身がカッコ良くあるためには?」という問いは、準備から対処までの各段階で、自分がどうあるべきなのかを問いかけるものとなりました。失敗という事実に対して、感情に走るのではなく、どう向き合うのかという視点を得ることができたのです。

自衛官としての勤務中、迷いは消えなかったですし、恥をかくことは今でも嫌いです。ですが、この言葉のおかげで、自分が重圧の渦中にあっても、感情ではなく事柄に集中するという視点は獲得できたかと思います。「恥をかくこと」を恐れて立ち止まるのではなく、それを「颯爽と」乗り越えようとする姿勢こそが、転職し、新社会人となった自身に求められる姿ではないかと、今、改めて感じています。

イワサキ経営グループ 監査部 三宮 高

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