イワサキ経営スタッフリレーブログ

2025年11月

2025.11.08

バイオテクノロジーの多様な可能性

バイオテクノロジーとは微生物や動植物の細胞が持つ能力や特性を活用し、人々の暮らしに役立てるものです。政府は2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会の実現を目標に掲げ、ものづくりや一次産業、健康・医療分野などでの市場拡大に取り組んでいます。

その一例がスターバックスのストローです。スターバックスコーヒージャパンは2020年、CO2排出削減のため石油由来のプラスチックストローを廃止し、紙製ストローを導入しました。しかし、紙製ストローは時間が経つとふやけてしまうという課題がありました。この課題を解決するため2025年、植物由来のバイオマス素材を使った新しいプラスチック製ストローへと変更しました。新ストローの素材は化学メーカーカネカが開発した「グリーンプラネット」です。これは生分解性バイオポリマーで、海水や土壌の微生物によって二酸化炭素と水に分解されるため海洋プラスチック問題の解決にも貢献します。これにより、環境負荷の低減と使い心地の良さの両立を実現しました。

このように遺伝子技術を活用し微生物などから物質を生産する「バイオものづくり」が世界で注目されています。気候変動や食糧・資源不足、海洋汚染といった社会課題の解決と経済成長の二兎を追う革新とされ、日本政府も重要な技術と位置付けています。

日本には、
①豊富な生物・遺伝資源
②発達した発酵法
③高い製造技術 という3つの強みがあります。

政府は「バイオものづくり革命推進事業」や「グリーンイノベーション基金事業」において、約4500億円を投じ、社会実装に向けた研究開発や実証を支援しています。

米国や中国で大規模投資が先行するなど国際競争は激しいですが、市場はまだ未成熟です。日本が今後、国際的に存在感を示す素地は十分にあるといえるでしょう。

イワサキ経営グループ 監査部三課 渡来大和

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