イワサキ経営スタッフリレーブログ

2012.08.08

名将に学ぶ ~山田 克彦~

 的確な分析と合理的な指導と言えば、プロ野球にデータ重視のID野球というスタイルを広めた野村克也氏を挙げる人は多いでしょう。その豊富な知識と観察眼、的確な指導で、他球団でくすぶっていた選手を引き受け、1軍に定着させ、活躍させるその手法は「野村再生工場」とまで言われました。

野村氏は努力家で読書家でもあります。多くの野球理論書だけでなく人生や思想などについても幅広く読んでいます。また多くの文化人・知識人とも交流し、直接人生について相談していました。
野村氏は、ヤクルトの監督就任当初、ミーティングでは野球の戦略や技術はほとんど教えず、仕事や人生論を熱心に説いたといいます。その根本に「人間的成長なくして、技術的進歩はない」という信念があったからです。人間としてどうあるべきか、仕事にどう向き合うか、野球という仕事をどうとらえるべきかについて、ありったけの知識と経験を話したといいます。
例えば、組織の意識改革について説く時、野村氏はヒンズー教の教えから始めるといいます。
 心が変われば態度が変わる
 態度が変われば行動が変わる
 行動が変われば習慣が変わる
 習慣が変われば人格が変わる
 人格が変われば運命が変わる
 運命が変われば人生が変わる
他球団から来た選手の中にはその話の内容に当初ついていけない人もいたそうです。そういった選手には「夜バットを振ることも大切だが、俺の話はそれ以上に大切だ。いつかは役に立つ。いつかはわからない。10年後かもしれない。しかし10年後俺の話が少しでも理解できると感じられるようになったら、君たちはいままでよりずっと成長したと断言できる。」と語ったと言います。
もともとプロとしての技術は持っている人ばかりですから、意識を変えるだけで結果を残す選手は多かったと言います。スポーツの世界は時にビジネス以上に厳しく、過酷です。こうした現場で戦いの指揮を執る監督の言葉は重みがあります。
ビジネスに関わる私たちもスポーツの世界に学ぶことはたくさんありそうです。

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